王女サロメが恋をした男は聖人だった。
だが彼は神だけを見つめ、決して彼女を見ることはなかった。
彼女はいつも自分をいやらしい目で見つめるユダヤ王に、
踊りをおどるかわりになんでも私の望むものをくださいと申し出る。
王は、お前が望むならこの国の半分でもやろうと、誓う。
そうして彼女は踊り、王に望むものを告げた。
恋する聖人の首を、と。